13 Jun
13Jun

ツイータープロトタイプが完成。いよいよ評価テスト段階へ

この記事は開発状況や技術的背景を詳しく知りたい方向けの内容です。

Audio Laboratoriaが開発を進めているスーパーハイエンドフラッグシップ3Wayシステムですが、この度、最重要コンポーネントのひとつであるツイーターの試作1号機が完成し、評価テスト段階へ移行しました。

以前のブログで開発スタートを告知してから、なんだかんだ既に1年近くかかってますが、使っている振動板の試作だけで納期3ヶ月とかなので、結構時間かかります笑

設計から3Dプリントによる組立性や構造の確認等を経て、現在は量産を前提とした基本構造の検証に加え、各種測定やリスニングテストを繰り返しながら最終仕様のブラッシュアップを慎重に進めています。

まだツイーターの試作機が完成した段階ですが、このツイーターの音質的な狙いと設計的な内容を少し長文になりますが、こだわりを説明しておきます。

■ ツイーター開発コンセプト

このツイーターはAudio Laboratoriaが開発を進める最高峰のHi-Endオーディオシステム向けスーパーハイエンドフラッグシップモデルです。目指したのは、圧倒的な情報量、自然な音楽再生、そして広大な音場表現の実現です。
さらに、音響性能だけではなく、精密な機械設計と芸術性を融合させたデザインにも拘り、ハイエンドホームシアター、ブックシェルフスピーカー、フロア型スピーカー、スタジオモニターなど、あらゆるトップクラスのオーディオシステムに対応できる性能を目標としています。

■ 基本性能目標

・周波数特性:40kHz以上

・高域拡張性能:50kHz以上(-6dB)

・感度:93~96dB

・公称インピーダンス:4Ω

・THD(96dB/1m)

2~10kHz:0.2%以下

10~20kHz:0.3%以下

20~40kHz:0.5%以下

ハイレゾ音源に含まれる超高域情報まで忠実に再現しながら、極めて低い歪率を実現することを目標としています。また、複数のショートリングと銅パーツを組み合わせた特殊磁気回路により、インダクタンス変動や高調波歪を抑制し、クリアで自然な高域再生を追求しています。

■ MAOマグネシウムセラミック振動板

本ツイーター最大の特徴が、AL-2.5FLやAL-2.5FPROでも採用した処理のMAO(Micro Arc Oxidation:マイクロアーク酸化)処理を施した振動板材質はマグネシウムセラミック複合振動板です。

一般的なマグネシウム振動板は非常に軽量で応答性に優れますが、高域では分割振動が発生しやすい傾向があります。一方でセラミック振動板は極めて高い剛性を持ちますが、音色が硬質になりやすい場合があります。

本開発では両者の長所を融合することを目的として、

・軽量性・高剛性

・適度な内部損失

・優れた制振性能

を兼ね備えたMAOマグネシウムセラミック複合振動板を採用しました。
マグネシウム合金の軽さと剛性に加え、MAO処理によって形成されるセラミック層が微細な多孔質構造を形成し、

・分割振動の抑制

・共振ピークの低減

・高域のリニアリティ向上

・自然な倍音再生
に貢献します。

さらにセラミック層自体が適度なダンピング特性を持つため、従来の金属振動板に見られる金属的な響きを抑え、自然で滑らかな高域再生を実現します。サスペンションには天然シルク素材を採用し、優れた減衰特性と耐久性を持ち、剛性の高い振動板との組み合わせによって音楽性と滑らかさを両立します。

■ ボイスコイルシステム

ボイスコイルには1インチ径のポリイミドボビンを採用。

220℃以上の耐熱性能と低誘電損失特性を備えています。

導体にはCCAR(銅被覆アルミ平角線)を採用し、軽量化、低インダクタンス化、高充填率を実現しています。
構造はショートボイスコイル×ロングギャップのアンダーハング方式を採用し、磁気ギャップ高さ3.6mmに対してボイスコイル幅を2.4mmに設定することで、

・Le変動低減

・BL変動低減

・優れたリニアリティ

を追求します。
また、ボイスコイル端部形状も最適化し、渦電流や高域ノイズの発生を抑制しています。

■ 超低歪磁気回路

磁気回路には10個のN52ハイグレードネオジム磁石を円周状に分割配置しています。

さらに3層構造のショートリングシステムを採用。
第1層:高純度銅ショートリング
第2層:アニール処理銅ワッシャー
第3層:金色ミラー仕上げアルミショートリング10層構造
これらを組み合わせることで、

・Le変動低減

・THD低減

・IMD低減

・位相特性改善

・群遅延特性改善
を実現することを目指しています。

■ 音響設計

振動板下部には独自形状の音響ディフューザーを配置。準フェーズプラグおよびマイクロホーン構造として機能し、

・前室内定在波低減

・ホーンマウス効果低減

・音圧分布均一化
に貢献します。

さらに透明アクリルリングを採用し、これは単なるデザインではなく、

・空気流整流

・エッジ回折低減

・音場拡散制御
という音響的役割も担っています。内部には専用吸音材を配置し、7~15kHz付近で発生しやすいキャビティ共振を抑制しています。

■ 外装構造

筐体はフルCNC削り出しアルミニウム構造。フロントパネルからリアチャンバーまで全てアルミニウムで構成されています。表面にはブラックニッケルミラー仕上げを採用し、

・高い耐腐食性

・優れた放熱性

・高級感ある外観
を実現しています。透明アクリルリングから内部磁気回路が見える構造となっており、機械美と音響技術を融合させたデザインとなっています。

■ 接続部端子にはCNC純銅削り出し金メッキ端子を採用
固定ネジも全て金メッキ仕様とし、

・接触抵抗低減

・酸化防止

・長期信頼性向上
を実現しています。

■ 設計思想

Audio Laboratoriaが目指すのは単なる高解像度ツイーターではありません。
テーマは、「スピードと温かみの融合」です。
MAOマグネシウムセラミック振動板による高い応答性と解像度と複数ショートリングを用いた超低歪磁気回路、透明アクリルリングと音響ディフューザーによる広大な音場表現。

そして精密CNC加工による機械美。

Audio Laboratoriaは現在、技術と芸術、精密さと音楽性、スピードと温かみ、そのすべてを融合した新世代スーパーハイエンドフラッグシップツイーターの実現を目指しています。

開発中のフラッグシップツイーター

まずは現在開発中のツイーターの断面設計図です。


本製品はAudio Laboratoria史上最高峰となるスーパーハイエンドフラッグシップモデルとして設計されています。目指しているのは上記でも説明した通り単なる高解像度ではありません。圧倒的な情報量です。

・自然な音色

・広大な音場表現

・長時間聴いても疲れない音楽性

これらを高次元で両立することを目標としています。

現在は他社含めハイエンドツイーター等との比較評価を実施中

現在は開発チームにて、複数の著名ハイエンドツイーター等との比較試聴および測定評価を進めています。

現在は音色の自然さ、情報量、空間表現などを重点的に確認しており、Audio Laboratoriaの開発チームからも非常に好感触なフィードバックが届いています。

下記は参考の動画です。

2番目の動画で比較しているツイーターは世に出てるものではないですが、過去にAudio Laboratoriaで試作してかなり良いと感じたハイエンドツイーターとの比較です。(他社製品との比較情報等は倫理上公開は出来ませんのでご理解ください)

もちろん現時点ではまだ試作開発段階であり、開発チームでの確認後、こちらでも確認しボイスコイル幅等細かな部分のチューニングを重ねていく予定ですが、開発は着実に前進しています。

最後に

Audio Laboratoriaのスーパーハイエンドフラッグシップ3Wayプロジェクトは、「価格ありき」ではなく、

価格制限を一切設けずに「本当に聴きたいと思える世界トップクラスの最高峰スピーカーを作る」という思想からスタートしました。

売れる売れないでは無く、シンプルに現代の技術で最高のものを作ったらどんな音になるのかを知りたいという個人的な興味による部分が強いです笑

見た目の美しさだけでなく、

・振動板素材

・磁気回路

・音響設計

・加工精度

に至るまで妥協なく開発を進めています。

今後もスコーカーやミッドバスの開発状況等も順次ご紹介していく予定です。

ぜひ今後の進捗にもご期待ください。