19 Aug
19Aug

Audio Laboratoriaでは、発売後も製品の完成度を高めるため継続的な改良を行っております。

AL-1PROに関しては、最新ロットよりツイーターおよびパッシブネットワークの仕様を若干変更しています。

Audio Laboratoriaが行う継続的な改良は、基本的に製品グレードや基本仕様を落とすための変更ではなく、音質および製品としての完成度向上を目的としているため、これまでは個別の仕様変更としてご案内しておりませんでした。

一方で、今回のAL-1PROについては、従来仕様をご存じのお客様から見れば外観上でも確認できる変更であることから、改めて変更内容とその設計意図をご案内させていただきます。

今回の変更について、従来仕様と比較するとネットワークのアッテネーターなど一部の構成部品がなくなっていることから、外観上はコストダウンによる仕様変更にも見えるかもしれません。

しかし、今回の変更は製造コストを下げることを目的としたものではありません。実際にはツイーター本体を従来よりコストの掛かる一体構造へ変更するとともに、パッシブネットワークについても一体構造のツイーターに合わせて再設計しています。

ネットワークについても、アッテネーターを廃止する一方で音質調整に必要なコンデンサを追加するなど回路構成を見直しており、従来仕様よりコストの掛かる内容となっています。

つまり今回の変更は、単純に部品を減らして原価を抑える方向ではなく、必要な部分には従来以上にコストを掛け、音質上不要となった部分については取り除くという、音質と製品としての完成度を優先した仕様変更となります。

ツイーターを一体構造へ変更

従来仕様では、ツイーターユニットと取付用パーツを組み合わせ、埋込用とオンダッシュ用でそれぞれの設置方法に対応する構成としていました。

最新仕様ではこの構造を見直し、埋込仕様に関しては単体販売しているワイドレンジツイーター「AL-1FT」と同様にツイーター本体の背面までを一体化した構造へ変更しています。

ツイーターは振動板や磁気回路だけで音が決まるものではなく、振動板背面の空間やハウジングの剛性・気密性、内部で発生する反射や共振なども動作に影響する要素となります。

そこで最新ロットでは、取付用ハウジングにツイーターの背面構造を依存させるのではなく、ツイーターユニット単体で背面側まで完結する構造としました。

これにより設置方法による背面条件の変化を抑えるとともに、不要な共振を抑制し、ツイーターの動作をより安定させることを狙っています。

一見すると構成部品が少なくなったようにも見えますが、実際にはツイーターユニットそのものの構造を見直したものであり、製造コストとしては従来仕様より上昇しています。それでもこの構造を採用したのは、コストよりも音質面でのメリットを優先したためです。

パッシブネットワークも新仕様に合わせて再設計

ツイーターの構造変更に合わせて、パッシブネットワークについても従来回路をそのまま使用するのではなく、一体構造となった新仕様のツイーターを前提として再設計しています。

パッシブネットワークは、単にミッドバスとツイーターの再生帯域を分けるだけのものではありません。クロスオーバー周波数や減衰特性だけでなく、それぞれのユニットが持つ周波数特性、能率、インピーダンス特性、位相関係などを考慮し、2つのユニットが一つのスピーカーシステムとして自然につながるように調整する重要な部分です。

今回の新仕様では、ツイーター構造の変更に合わせてこれらを改めて見直し、AL-1PROとして狙った音質・バランスとなるようネットワークを最適化しました。

新旧のネットワークを比較すると分かるように、今回の変更は従来のネットワークから単純にアッテネーターだけを取り除いたものではありません。

新仕様では音質調整に必要なコンデンサを追加するなど、ネットワークの回路構成そのものを変更しています。

そのため、パッシブネットワークについても部品削減によるコストダウンによる変更ではなく、実際には従来仕様よりコストアップした設計となっています。

必要な部分には適切な部品を使用・追加し、一方で音質上必要のない回路や部品については残さない。その考え方に基づいて、今回ネットワーク全体を改めて最適化しています。

また、今回のネットワークの改良では、テスト・調整から基板設計まで新たに行っているため、従来仕様をそのままリピート生産する場合と比較して、開発・生産にかかるコストも増加しています。

アッテネーターを廃止した理由

従来仕様では、ツイーターとミッドバスのレベルバランスの調整に加え、車両ごとの設置位置や向きなどに応じてツイーターレベルを変更できるよう、パッシブネットワークにアッテネーター機能を設けていました。

アッテネーターによるレベル調整は、車両や取付条件に合わせて音のバランスを調整できるというメリットがあります。

一方で、抵抗や切替回路、接点などが信号経路に追加されることになるため、調整幅を持たせることと、回路をできるだけシンプルに構成することには、それぞれ異なるメリットがあります。

今回のAL-1PROでは、一体構造のツイーターに合わせてパッシブネットワークを再設計し、標準状態でのミッドバスとツイーターのレベルバランスについても改めて追い込みました。

その結果、従来のように複数のツイーターレベルを選択できる調整機能を残すことよりも、AL-1PROとして狙った基準となるバランスをネットワーク側で固定し、可能な限りシンプルな信号経路とすることを音質面で優先しました。

そのため、最新ロットではアッテネーター機能を廃止しています。これはアッテネーターによる調整そのものを否定するものではありません。

車両や設置環境に応じてツイーターレベルを変更できることも一つのメリットですが、最新ロットのAL-1PROでは、調整範囲の広さよりも、Audio Laboratoriaの代表モデルとして基準となる音質とシンプルな回路構成を優先するという設計思想を採用しています。

したがって今回のアッテネーター廃止は、コスト削減を目的として部品を取り除いたものではなく、ツイーター構造とネットワークを再設計・最適化した上で、AL-1PROとしての音質を優先して選択した仕様となります。

必要な部分には、従来以上にコストを掛ける

今回の改良でAudio Laboratoriaが重視したのは、単純な部品点数削減や製造原価ではありません。

ツイーターについては、従来よりコストを掛けてAL-1FTと同様の一体構造へ変更する。

パッシブネットワークについても、一体構造のツイーターに合わせて再設計し、音質調整に必要なコンデンサを追加する。

一方で、新しい構成では音質面で残す必要性が低くなったアッテネーターについては、部品点数や機能数を維持するためだけに残さない。

これが今回の仕様変更の考え方です。

結果として外観上は一部の部品がなくなっていますが、ツイーター、パッシブネットワークともに従来仕様よりコストアップしており、製品全体としてもコストダウンではなく、音質と完成度を優先した改良となっています。

本来であれば、今回の変更は製造コストの上昇を価格へ反映することも検討すべき内容ですが、「同じ価格であっても、できる限りより良いものをお届けしたい」という考えから、AL-1PROの販売価格は従来から据え置きとしています。

Audio Laboratoriaでは、部品の多さや機能の多さそのものを製品の価値とは考えていません。

「その部品や構造が、より良い音を実現するために本当に必要なのか」これを一つの基準として、必要な部分にはしっかりとコストを掛け、反対に音質上必要のないものについては見直していくことも、製品開発において重要だと考えています。

Audio Laboratoriaでは今後も、実際の音質と製品としての価値を基準に、より良い製品を目指して継続的な改良を行ってまいります。